間質性膀胱炎は難問枠
第120回医師国家試験で出題され、指導医からも「これはかなり難しい」との声が出たテーマです。膀胱水圧拡張術という治療名にピンと来なかった受験生も多かったようです。
とはいえ整理すれば覚えることは多くありません。一度押さえておけば得点源になります。
どんな疾患か
膀胱に慢性の炎症が起こり、膀胱痛・頻尿・尿意亢進をきたす疾患です。尿培養は陰性で、細菌性膀胱炎ではありません。中年以降の女性に多くみられます。
2つの型に分かれます。
| 型 | 特徴 |
| ハンナ型間質性膀胱炎 | 膀胱鏡でハンナ病変を認める。指定難病 |
| 膀胱痛症候群(非ハンナ型) | ハンナ病変を認めない。指定難病ではない |
覚え方 ハンナさん、溜まると痛くて、出すと楽
この疾患のもっとも特徴的な症状が、痛みと排尿の関係です。
ハンナさん、溜まると痛くて(蓄尿時に増悪)、出すと楽(排尿で軽快)
通常の膀胱炎は排尿時痛・排尿終末時痛が中心ですが、間質性膀胱炎は逆に蓄尿時に痛みが増悪し、排尿すると軽快します。この向きの違いが鑑別のポイントです。
診断
診断の中心は膀胱鏡です。ハンナ病変(粘膜の発赤や、血管の増生を伴う特徴的な病変)を確認します。
あわせて膀胱水圧拡張時の点状出血も所見として知られています。除外診断も重要で、細菌性膀胱炎、膀胱癌(とくに上皮内癌)、結核性膀胱炎、過活動膀胱などを除外します。
とくに膀胱上皮内癌は症状が似るため、必ず除外が必要です。尿細胞診が役立ちます。
治療
膀胱水圧拡張術が代表的な治療です。麻酔下で膀胱に生理食塩水を注入して伸展させます。診断と治療を兼ねる手技です。
ハンナ型ではハンナ病変の経尿道的焼灼・切除が有効です。ほかに、生活指導(刺激物の制限)、内服(アミトリプチリン、スプラタストなど)、膀胱内注入療法(ジメチルスルホキシド:DMSO)があります。
難治例では膀胱全摘に至ることもありますが、まれです。
国試ではここが問われる
「尿培養陰性の慢性膀胱痛・頻尿」というキーワードで想起できるかどうか。そして蓄尿で増悪・排尿で軽快という向き。この2つを押さえておけば十分です。
ハンナ型が指定難病である点も、公衆衛生と絡めて問われる可能性があります。


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