【覚え方】一次妄想 二次妄想

delusion精神科

精神科は、身体科では使わない用語を使うので、新たに覚え直す必要があります。大変ですが精神科独特の用語を覚えれば、医師国家試験の問題を解くのもグッと楽になりますので、頑張って覚えましょう。 

一次妄想と二次妄想の見分け方

一次妄想と二次妄想の違い

一次妄想:生じ方が理解できない、妄想○○ 例:妄想気分, 妄想知覚, 妄想着想etc
二次妄想:生じ方がある程度理解できる、○○妄想 例:微小妄想, 誇大妄想, 嫉妬妄想etc

妄想とは、間違った推論によって生じた、外界の現実についての誤った確信のことであり、倫理的に説明されても訂正されないものである。簡単に言うと、妄想を持った人は妄想の内容に確信があり、他の人が訂正できないのです。

妄想には、一次妄想二次妄想があります。

一次妄想とはその生じ方が心理的に了解できないものであり、統合失調症の主な症状の一つです。
二次妄想とは心理的な状況、環境、性格などから妄想の形成の機序がそれなりに了解できるものをいいます。

妄想の種類には、誇大妄想、被害妄想、妄想気分、微小妄想、妄想知覚、などたくさんありますがどれが一次妄想で、どれが二次妄想かごちゃごちゃになります。しかし、ある法則に注目すれば、一次妄想と二次妄想を区別してすっきりと覚えることができます。

下の表を見て下さい。

一次妄想最初に妄想がついています(例:妄想○○)。
二次妄想最後に妄想がついています(例:○○妄想)。

これで一次妄想と二次妄想の区別がつきます。 

わかりやすい定義種類
1次妄想妄想の生じ方が心理的に了解できないもの妄想気分, 妄想知覚, 妄想着想
2次妄想妄想の生じ方がそれなりに了解できるもの微小妄想(罪業妄想, 貧困妄想, 心気妄想)
誇大妄想, 被害妄想, 嫉妬妄想, 関係妄想, 血統妄想

一次妄想の分類

妄想気分:何かただならぬ事が起こっているという不気味な気分である。その意味ははっきり分からず、怪しげで不安、緊迫感に襲われ、どうしたらよいか分からぬ困惑感を覚える。そのうちに次の妄想知覚、あるいは妄想着想へと移行する。

妄想知覚:ふと知覚された事実に特別の誤った意味が加わり、それが確信されるものである。例えば、「電車に乗って黒縁のメガネの男を見た。その途端に自分が秘密組織に狙われているんだということがわかった。」

妄想着想:突然ある誤った考えがひらめき、それが確信される。例えば、「私は神の子であると急にわかった」など。過去の記憶が突然思いがけない身をもって思い出されるものを妄想追走という。「中学3年の時、担任の女性教師が僕に笑いかけたのを急に思い出した。あれ以来先生はずっと僕に恋愛している」など。

二次妄想の分類

関係妄想:周囲の人の素振りや言動がすべて自分に関係があると感ずる。多くは悪口、当てつけ、批判など被害的内容をもつ。まれには皆から好意をもたれすぎるといった誇大的なものもある。

恋愛妄想:特定の異性、あるいは異性が皆自分に恋愛する。

注察妄想:道を歩いても乗物でも,どこでも皆から注目され監視されている。

被害妄想:被害的内容の妄想を総称する。統合失調症に最も多い。何か特殊な器械で自分を苛めるというのは物理的被害妄想である.体感幻覚と結びつくことが多い.

被毒妄想:食物や薬に毒を入れている。幻嗅、幻味と結びつくことが多い。

微小妄想:自分の能力、地位、財産などを過小に評価する。

罪業妄想:罪をおかしている。過去のわずかな罪や失敗を重大でとり返しのつかない大罪と考えることが多い。

貧困妄想:財産がなくなって日常生活にもことかく。

虚無妄想:自分が存在しない、生きていない、体の部分がない、世界も存在しない、死ぬこともできない。

心気妄想:体の病気だ、回復の見込がない、内臓が腐ったなど。

誇大妄想:自己の能力、体力、財産、地位などを過大に評価する。高貴な血統に属するとする血統妄想。預言者である神とする宗教妄想、大発明をしたとする発明妄想などがある。躁状態にみられる。その他、統合失調症、進行麻庫にもみられる。統合失調症の場合には妄想体系をつくりやすい。

参考文献
CBT・医師国家試験のためのレビューブック マイナー

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