肝頸静脈逆流 Hepatojugular Refluxとは? 手順・解説動画付き

循環器

肝頸静脈逆流 (英語:Hepatojugular Reflux)とは?

心不全患者では頸静脈怒張がみられる。しかし、頸静脈怒張がわかりにくい事もしばしば。
肝頸静脈逆流(腹部頸静脈逆流)法は、頸静脈怒張がわかりにくい患者に対して、肝臓の上から圧力をかけて心不全徴候を調べる方法。

肝頸静脈逆流 Hepatojugular Refluxの機序・メカニズム

■右季肋部圧迫は静脈還流量を増大させるために行う
右季肋部を圧迫すると下大静脈が圧迫されることにより静脈還流量が減る。しかし、腹部圧迫により腹圧は上昇し、横隔膜は下がりにくくなる。その結果、呼吸筋等などによって胸腔を広げようとして胸腔内圧はより陰圧になり、上大静脈からの静脈還流量(Venous return)が増加する。

■心不全患者は右季肋部圧迫後、頸静脈怒張が継続する
心機能が正常な方は、右季肋部の圧迫後、増加した静脈還流量(Venous return)に対して心拍出量(Cardiac output)を増やすため(フランクスターリングの法則)、数秒で頸静脈怒張が消失する。
一方、心不全の患者では手を離しても静脈還流量の増加に対応出来ず、頸静脈怒張が継続する。

肝頸静脈逆流テスト Hepatojugular Refluxの手順

Hepatojugular Refluxの手順

右季肋部や腹部正中を10秒間圧迫 ※バルサルバがかからないように開口位で行う
 
数秒で頸静脈怒張が元に戻る➡正常(試験陰性)

頸静脈怒張が継続➡心不全徴候あり(試験陽性)
(胸骨角から4.5cm以上の高さのところに拍動の最強点が継続)

手技の解説動画 英語

英語が苦手な方は、Youtube右下にある⚙>字幕>自動翻訳>日本語 と設定すると日本語字幕が出てきます。手順をわかりやすく解説しています。

参考文献
ベイツ診察法
ガイトン生理学
Youtube

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