T2*(スター)強調像とは?どんな場面で使う?

T2_thumbnail放射線

T2*強調像とは?どんな場面で使う?

T2*強調像はT2強調像と比べて、磁性体をより明瞭に低信号として捉えて描出する
微小出血の検出に優れる

T2強調像で出血を見つけることが出来るが、T2*強調像はT2強調像に比べて磁化率変化に鋭敏なため、水と大きく異なる磁化率の物質を含む血腫を捉えやすい。つまり、T2強調像では判別が難しい微小出血を、T2*強調像では拾うことが可能となり、微小出血の検出に非常に有効である。デオキシヘモグロビン(急性期出血)、メトヘモグロビン(亜急性期出血)、へモジデリン(慢性期出血)が全てT2*強調像で低信号となる。

T2*強調像で高信号、低信号を示す病変

高信号(白)低信号(黒)
T1強調像脂肪
亜急性期の出血(メトヘモグロビン)
濃度の高い液体
メラニン
Gdによる造影効果

大部分の病変
T2強調像
大部分の病変
急性期の出血(デオキシヘモグロビン)
慢性期の出血(ヘモジデリン)
濃度の高い液体
メラニン
石灰化・骨皮質,線維化,ガス
T2*強調像
大部分の病変

急性期出血(デオキシヘモグロビン)
亜急性期出血(メトヘモグロビン)
慢性期出血(ヘモジデリン)
血栓
異常鉄沈着
加齢に伴う鉄沈着(大脳基底核,赤核など)
病的な石灰化(腫瘍,血管奇形など)
生理的な石灰化(脈絡叢,松果体,淡蒼球など)
異物
空気
FLAIR大部分の病変
拡散強調画像急性期脳梗塞
膿瘍
類表皮腫
画像診断コンパクトナビ」「画像所見から絞り込む! 頭部画像診断」より引用改変

参考文献

画像診断コンパクトナビ – 医学生・研修医必携

画像所見から絞り込む! 頭部画像診断やさしくスッキリ教えます

コメント