refeeding syndrome(再栄養症候群)とは?

長期飢餓状態で急に高カロリー投与することで、電解質異常や高血糖をきたす病態

低リン血症がrefeeding syndromeの特徴であり主な原因でもある。その他には低カリウム血症うっ血性心不全末梢性浮腫横紋筋融解症溶血痙攣などがみられる。

飢餓に伴う低リン血症の患者に栄養補給を開始すると、グルコースによりインスリン放出が促進され、リン酸塩(およびカリウムとマグネシウム)の細胞内への取り込みと、血清リン濃度の低下が引き起こされる。インスリンはまた、細胞にリン酸塩を必要とするATPおよび2,3-DPGの生成を促し、さらに体内のリン酸塩低下を招く。リン酸化中間体の不足により、組織の低酸素血症、心筋機能障害、横隔膜が収縮できないことによる呼吸不全、溶血、横紋筋融解症、および痙攣を引き起こす。

理想体重の70%、またはBMI<15~16では発症リスクが高く、入院加療が必要となる。
その他のリスク因子としては低リン血症低カリウム血症低マグネシウム血症、過去5~10日の絶食がある。

好発時期は、栄養補給と体重増加がみられる初めの1~2週間。その後は発症リスクが徐々に低くなる。

栄養投与は原則として、低速・少量から開始し、1週間程度で目標の速度・投与量に到達するように設定する。
具体的には5~10kcal/kg/日からから投与スタート。
また、リンだけでなくビタミンB類も不足していることがあるためビタミンB1・100mg×2を少なくとも1週間投与する。

参考文献
1)National Institute for Health and Clinical Excellence:Guideline for the Management of Refeeding Syndrome(Adults)2nd edition.NHS Foundation Trust;2009.

コメント