【総まとめ】自己免疫性肝炎の覚え方

AIH PBS PSC消化器

自己免疫性肝疾患のまとめ

AIH (自己免疫性肝炎)PBC (原発性胆汁性肝硬変)PSC (原発性硬化性胆管炎)
好発中年女性中年女性成人男性
病態自己免疫による肝細胞障害
→慢性活動性肝炎
肝内胆汁うっ滞肝内外胆汁うっ滞
病理慢性肝炎像
・門脈域の不整形な拡大
・炎症細胞浸潤
・piecemeal necrosis
・ロゼット様配列・水腫状変化
慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC)
胆管上皮や周囲へのリンパ球浸潤
線維性閉塞性胆管炎
onion skin lesion(小葉間胆管周囲線維化)
自己抗体抗核抗体, 抗平滑筋抗体抗ミトコンドリア抗体P-ANCA
生化学AST⇧ALT⇧
IgG⇧
赤沈⇧
CRP⇧
ALP・γGTP⇧
T.Cho⇧
T.bil⇧
IgM⇧
AST・ALT⇨~⇧
ALP⇧γGTP⇧
T.Bil⇧
AST・ALT⇨~⇧
治療副腎皮質ステロイドウルソデオキシコール酸
肝移植
コレスチラミン
抗ヒスタミン薬
禁忌:副腎皮質ステロイド
ウルソデオキシコール酸
胆道ドレナージ
肝移植
合併症関節リウマチ、橋本病、
シェーグレン症候群など
関節リウマチ、橋本病、
シェーグレン症候群など
潰瘍性大腸炎

好発年齢の覚え方

好発は中年女性か成人男性です。PSCが成人男性であることを覚えておけば、残り2つは中年女性です。

自己免疫性肝疾患の好発年齢

AIH:自己免疫性肝炎→自己免疫性疾患は女性がかかりやすい→中年女性
PBC:BABA(ババア)→中年女性
PSC:Son→成人男性

病態の覚え方

AIHの病態は、自己免疫性肝炎の名前通りです。自己免疫による肝細胞障害により慢性活動性肝炎となります。PBCとPSCは略語が似ており、どちらが肝内病変か肝内外病変かごちゃごちゃになりやすい疾患です。PBC女性に好発しやすいと覚えていれば、女性は生殖器が(子宮など)にあるため、肝病変と導くことが出来ます。一方で、PSC男性に好発するので、男性(精嚢など)にも(陰茎)にも生殖器があることから、PSCは肝内外病変と導くことが出来ます。

AIH,PBC,PSCの病態

AIH:自己免疫性肝炎→自己免疫による肝細胞障害
PBC:女性は内(肝胆汁うっ滞)に生殖器がある
PSC:男性は内と外(肝内外胆汁うっ滞)に生殖器がある

自己抗体の覚え方

AIH 抗平滑筋抗体、抗核抗体

AIHを組み合わせて抗平滑筋抗体の平が出来ます。平滑筋抗体から抗体を連想します。

PBC 抗ミトコンドリア抗体

PBCをのばすと、ービーシとすべて『』で終わります。自己免疫性肝炎に関係する、抗核抗体、抗平滑筋抗体、抗ミトコンドリア抗体の中で、抗○○のはじめの文字が『』となるのは抗ミトコンドリア抗体のみです。抗核抗体は、抗かく抗体、抗へ滑筋抗体となり違うことからもわかります。

PBCは抗ミトコンドリア抗体

PBC(ピービーシー)は、抗ミトコンドリア抗体

PSC P-ANCA

PSCはゲーマー向けの覚え方。PSはゲーム機プレイステーションの略語です。
プレイステーションはPS1、PS2、PS3、PS4、PS5、PSP(PSポータブル)、PSvistaなど様々な機種が発売されてきましたが、PSCなんてプレステあるんか?

PSCはP-ANCA

PSCなんてプレステあんか(P-ANCA)?

上昇するγグロブリンの覚え方

γグロブリンはIgGとIgMの2つ。抗ミトコンドリア抗体の(Mi)にIgMが隠れています。覚えやすいですね。

自己免疫性肝疾患の生化学所見

AIH:Hの前はG→IgG上昇
PBC:抗ミ(Mi)トコンドリア抗→IgM上昇

治療の覚え方

治療はAIHとPBC,PSCで分けて考えると整理しやすいです。好発年齢が同じ中年女性であるAIHとPBCは、治療も同一であると勘違いしやすいため、要注意です。AIHの治療である副腎ステロイドはPBCでは禁忌です。

AIH,PBC,PSCの治療

AIH:愛(AI)を捨てる(ステロイド)
PSC, PBCCall ウルソデオキシコール

合併症の覚え方

合併症は好発年齢を経由して覚えます。

合併症

AIH, PBC:女性好発→自己免疫疾患(関節リウマチ、橋本病、シェーグレン症候群など)
PSC:男性好発→潰瘍性大腸炎

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