基準値：男性 3～7mg/dL 女性 2～7mg/dL
検査目的：痛風、高尿酸血症の診断
血漿中での尿酸ナトリウムの飽和溶解度は6.8mg/dLであり、その濃度を超えると尿酸結晶が析出する可能性がある。血清尿酸値は、尿酸産生量と腎臓からの排泄量によって決まる。尿酸はプリン体の最終代謝産物であるので、プリン体産生が多くなると尿酸産生も亢進する。プリン体は血液腫瘍や充実性腫瘍、組織破壊亢進、薬剤で増加する。またプリン体のサルベージ経路の異常でも尿酸値は影響を受ける。尿酸生合成酵素欠損症で低尿酸血症になる。
男性は女性より1～２mg/dL高い。女性は閉経以降上昇する。絶食、脱水、過度な運動、大量飲酒で上昇する。
| 尿酸値 | 考えられる病態・疾患 | |
| 低下 | 1mg/dL以下 | [高頻度・可能性]キサンチンオキシダーゼ欠損症, プリンヌクレオチドホスホリラーゼ欠損症, 5-ホスホリボシル-1-ピロリン酸合成酵素欠損症, 腎性低尿酸血症 |
| 男性1～3mg/dL以下 (女性1～２) | [高頻度・可能性]腎性低尿酸血症, 尿酸低下薬, 重症肝障害, 尿細管性アシドーシス | |
| 上昇 | 7～8mg/dL | [高頻度]無症候性高尿酸血症 [可能性]痛風, 腎不全, 飢餓, サイアザイド系利尿剤, 白血病, 悪性リンパ腫, 慢性骨髄増殖症候群 |
| 8～9mg/dL | [高頻度]痛風, 無症候性高尿酸血症 | |
| 9mg/dL以上 | [高頻度]痛風, 無症候性高尿酸血症 [可能性]7～9mg/dLの病態・疾患＋5-ホスホリボシル-1-ピロリン酸合成酵素活性亢進, ヒポキサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ活性低下, von Gierke病 | |
参考文献
異常値の出るメカニズム
臨床検査データ
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