アミラーゼが上昇・低下する原因

アミラーゼ検査

基準値:60~200 IU/L
検査目的:膵炎の診断や経過の把握、唾液腺疾患などの診断

血清アミラーゼの由来は膵臓と唾液腺が主である。
それぞれの臓器に特異的なアイソザイムがあり、血中では通常、唾液腺型アミラーゼがやや多い。

血清アミラーゼの上昇機序には、膵臓や唾液腺の炎症や腫瘍、結石が引き起こす閉塞による血中への逸脱、腸からの漏出、腎からの排泄障害(マクロアミラーゼ血症, 慢性腎不全), 異所性産性(腫瘍)などがある。
血清アミラーゼの低下は、膵臓や唾液腺の摘出後、あるいは慢性膵炎や膵癌による膵実質の荒廃によって起こる。

アミラーゼ値考えられる病態・疾患
基準上限以上[高頻度]急性膵炎, 慢性膵炎
[可能性]膵嚢胞, 膵癌, 総胆管結石, ファーター乳頭癌, 急性耳下腺炎, 唾石, 消化管穿孔, 腸閉塞, 腹膜炎, 子宮外妊娠, アミラーゼ産生腫瘍(肺癌, 卵巣癌, 卵管癌など), マクロアミラーゼ血症, 慢性腎不全, ショック, ERCP後
基準下限以下[可能性]膵全摘後, 慢性膵炎や膵癌による膵実質の荒廃, 唾液腺摘出後

参考文献
異常値の出るメカニズム
臨床検査データ
診断に自信がつく検査値の読み方教えます

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