アナフィラキシーは第一選択がすべて
アナフィラキシーの初期対応はアドレナリン筋注です。ここを外すと何をやっても救えません。国試では禁忌肢が設定されうる領域でもあります。
第120回の総評では「緊急性の判断」「最初の5分で何をするか」が問われたと分析されています。手順が固定されている疾患なので、覚えてしまえば確実に取れます。
アドレナリンの投与方法
| 項目 | 内容 |
| 投与量 | 0.01 mg/kg(成人最大0.5mg、小児最大0.3mg) |
| 投与経路 | 筋肉内注射(皮下注ではない) |
| 投与部位 | 大腿前外側(上腕ではない) |
| 反復 | 効果不十分なら5〜15分ごと |
| 体位 | 仰臥位で下肢挙上 |
初期対応のゴロ タイにキン、立たせるな
部位と経路、そして体位。この3つを一息で覚えます。
アドレナリンはタイ(大腿前外側)にキン(筋注)
立たせるな(仰臥位で下肢挙上)
なぜ大腿に筋注なのか
大腿外側広筋は血流が豊富で吸収が速いためです。上腕三角筋より血中濃度の立ち上がりが速いことが示されています。皮下注では吸収が遅く、ショック状態では末梢循環が悪いためさらに遅れます。
立たせてはいけない理由
アナフィラキシーでは血管透過性が亢進し、血管内の水分が血管外へ漏れ出しています。この状態で急に立たせたり坐位にすると、静脈還流が急激に減り、心停止しうるためです。
「empty vena cava(空の下大静脈)症候群」と呼ばれる現象で、患者を立たせた直後の急変が報告されています。仰臥位で下肢挙上が基本、呼吸困難が強ければ半坐位、嘔吐があれば側臥位にします。
補助的な薬は第一選択ではない
抗ヒスタミン薬やステロイドも使われますが、これらは補助的です。抗ヒスタミン薬は皮膚症状にしか効かず、ステロイドは効果発現までに数時間かかります。
「まず何を投与するか」と問われてステロイドや抗ヒスタミン薬を選ぶと誤りです。ここは確実に落とさないようにしましょう。
二相性反応
いったん改善しても、数時間後(多くは1〜8時間後)に再燃することがあります。これを二相性反応といいます。
そのため症状が消えてもすぐには帰宅させず経過観察が必要です。「症状が改善したので帰宅させる」という選択肢には注意してください。
国試ではここが問われる
β遮断薬を内服している患者ではアドレナリンが効きにくくなります。この場合はグルカゴンを使う、という一段深い知識も問われることがあります。

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