アンモニア(NH3)が上昇、低下する原因

NH3検査

基準値:40~80μg/dL
検査目的:
①肝機能障害や門脈-大循環短絡の重症度の指標
②肝性脳症に対する治療効果の判定

血漿アンモニアには、外因性のものと内因性のものがある。外因性アンモニアは、食物中の蛋白質由来の窒素化合物が腸内細菌により脱アミノ化されて生じる。内因性アンモニアは、体内でアミノ酸が脱アミノ化されて生じる。血漿アンモニアは、通常速やかに肝臓の尿素回路で尿素に変換される。尿素の大部分は腎臓から排出されるが、残りは腸管内に拡散し腸内細菌や腸管粘膜のウレアーゼによって再びアンモニアが生じる。血漿アンモニアの上昇は、主として肝臓でのアンモニアの代謝障害と門脈大循環短絡が原因となる。便秘、高タンパク食、消化管出血などは高アンモニア血症を増悪させる 。

アンモニア値考えられる病態・疾患
低下40μg/dL以下[高頻度・可能性]低蛋白食, 貧血
上昇80μg/dL以上[高頻度・可能性]劇症肝炎, 非代償性肝硬変, ショック, 低酸素血症, Budd-Chiari症候群, Reye症候群, 先天性高アンモニア血症1型2型

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